器用貧乏が「適性・適職」を無視して転職した、結末。
適職ってあるよ。~器用貧乏が適性を無視して転職した結末~
こんにちは、ヤマノカホ(@kaho_yamano)です。実は、ブログを更新できていない間に、東京への転居&転職をして1年が経ちました。
いろいろと思うところがあって、地方の小さな会社の正社員から東証一部上場企業の契約社員へ転職をしたのですが、実際のところはどうだったのか。あくまで私の場合としてですが、わかったことやメリット・デメリットを複数の記事にわけて書いていこうと思います。バリキャリや意識高い系ではない人間の「仕事」について、一例として参考になったら嬉しいです。
そして、この記事はその第一弾。「適職」について書いていきます。
「適職」なんて、たいしたことないと思っていた。
「適職」について気になることって、結構ありますよね。特に、就活や転職の際には、どんなことが合うのかな~?と思って、転職サイトにある診断めいたものを受けてみたりして。その結果に憧れの職業が入っていれば、ちょっと嬉しくなったりして。
そして結局、
なんて思って、考えるのはおしまい。特に、
なんて思って、体力的にも精神的にも負担の少ない事務系の仕事を探してみたり。
私も事務系の仕事は誰でもできると思っていました。というのも、だいたいのことは人並み以上にできてきたので、
と思っていたんです。バカにしてますね、くそやろーですね。
適職診断は好きで、ちょこちょこ受けていたんです。だいたい「適職」判定されるのは、科学者、建築家、小説家、アーティスト、コピーライターなどなど…。社会不適合者なニオイがする…。と思いつつ、深く受け止めていなかったんです。
「適職」ではない、注意力が必要な事務に挑戦。
転職で選んだ職種は、文章の誤脱などをチェックする注意力が必要な事務職でした。ざっくり言うと、校閲とか校正のような仕事です。
だから、日々やることは複数の原稿を読んで、直すところは直す。確認するところは確認する。その繰り返しでした。注意力や日本語の知識はいるけれど、自分で工夫をする範囲は狭いので、正直アタマはあまり使わない仕事です。
アタマは使わないから、頭の良し悪しは関係なくて。誰でもできるような、いつでも替えがきくような仕事でした。
けれど、これがとても頑張らないとできないんです。
ミスを防ぐために、ビックリするほど注意力と時間が必要なんです。脳みそはさほど使っていないはずなのに、家に帰るころにはグッタリ。今まで感じたことがないほど、ストレスも溜まっていきました。
体力や思考力に負担はかからないけれど、ココロに対する負荷が大きい。
けれど、同僚は苦もなくコツコツと仕事を進めていく。
同じ仕事をしているのに必要とするエネルギーが多い点では、私はあきらかに“仕事ができない人”でした。ミスこそほとんどしなかったけれど、エネルギーのコスパが悪かったんです。
そんな事実が、驚愕でした。なんでも人並み以上にできると思っていたんですから、そりゃ驚きますよね。イヤな奴ですね。
正直、2ヶ月が限界でした。
そんなこともあり、配属を変更してもらったんです。
「適性ゼロ」からの脱却
その後、当初の事務職よりも少しだけ裁量のある業務へ、一時的に変わることになりました。とはいえ、正社員の業務を事務的にサポートする立場になるため、工夫の余地はほぼゼロ。
「言われたことをする」「決まったことをする」という程度が、ガチガチからカチカチに変わったくらいの変化でした。
ただ、たったそれくらいの裁量アップでも、とても気持ち的に楽になったんです。
ここではじめて、私は「自由に考えられる・工夫できる部分が大きい方が向いている」とわかったんです。私の適性のひとつは「裁量の大きな仕事」だったんです。
それまで、「言われたことをそのままするのが苦手」という意識はありました。でも、言われたことをそのままするって、行動としては難易度が高くないじゃないですか? だから、工夫することに比べたら苦手、というくらいの気持ちだったんです。でも、実際は“苦手”を通り越して“できない”のレベルでした。
現在、アシスタント業務でもっとも裁量の大きな職種へ
転職後、1年間で2回の配属チェンジを経て、アシスタント業務のなかでも一番裁量の大きな職種にいます。
ざっくりとした依頼を受けて、私がイチから考えて文章を作成する、というもの。
そうすると、いろんなことに配慮しながら、考えながら、工夫をしながら仕事をできます。
この感覚が、とてもラクで。
考えられる環境にうつれて、せき止められていたエネルギーが一気に解放されたような感じがありました。
それまでの業務では、1メートル四方の檻に押し込められているような感覚でした。それが、空も、原っぱもある場所に出してもらえたみたいで。まだ柵はあるけれど、駆けまわったり、飛び回ったりできるようになりました。
また、もともと持っていた「考える」というチカラを発揮できるので、通常の業務外で組織に貢献するようにもなって。
帰属意識はないから、それが直接やりがいになることはないですが、貢献度が増えるということは学べる場面が増えるということでもあります。だから、将来的に使える能力が増える。アピールできることが増える。
結果的に、環境が変わっても強みといえるチカラを磨けています。
自分の適性にあった場所に身をおけたからこそ、伸ばしやすい長所を伸ばせました。
適性を活かせることは大切
この1年間で学んだ大きなことは、「適性」を活かせる職業に就くことは大切だということ。
さらに、業務の難易度が低いからって誰もが楽々できる仕事なんて、ないってこと。
「苦痛に感じない」ということは、その仕事が適しているからだとわかりました。単純な仕事のはずなのに、入社時のチェック業務が苦痛で仕方がなかった。ココロのエネルギーもたくさんつかった。それよりも難易度が高いはずなのに、考えることは苦痛を感じないで、ラクラクとできる。
「好き・嫌い」とか、「簡単・難しい」とか、適職はそんな話ではないです。
自分がどんな環境で能力を発揮できるのか、これまでの経験をしっかりと振り返って仕事を決めていくことが大切。
ここをおろそかにすると、強みだったはずのチカラを押し殺して枯らしてしまったり、エネルギーの浪費ばかりで得るものがなくなってしまったり。
今まで「できない」という感覚を持ったことのない器用貧乏さんは、もう一度冷静に自分の特性を振り返ったほうがいいかもしれません。